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玄関スロープの後付け費用・条件は?実績1万件のプロが教える失敗しない選び方と実例

玄関の段差が高齢の親にとって負担になっている。

車椅子での出入りを楽にしたい。

将来に備えて今から準備したい。

そんな思いから、玄関スロープの後付けを検討される方が増えています。

ただ、

「本当にうちの玄関に作れるのか?」 「どんなスロープを選べばいいのか?」 「費用はどれくらいかかるのか?」

と、判断に必要な情報が整理できず、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

実際、安全性を確保するには段差の12〜15倍の距離が必要で、敷地の条件によっては設置が難しいこともあります。

この記事では、累計1万件超の外構工事を手がけてきた堀央創建の経験をもとに、スロープ後付けの判断に必要な材料を整理してお伝えします。

この記事でわかること
  • 玄関スロープ後付けの5つのメリットと3つのデメリット
  • 後付け方法の選択肢(アルミ・コンクリート・タイル・簡易材)
  • 安全設計の5つのポイント(勾配・幅・素材・手すり・照明)
  • 費用相場と介護保険・補助制度の活用方法
  • 堀央創建の実際の施工事例3つ
この記事を書いた人
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葛山 周士

【プロフィール】
「お客様の想いを汲み取り、期待を超える提案」を信条とする一級エクステリアプランナー。外構業界で約20年の経験を活かし、タイルを効果的に使ったモダンデザインから趣のある和庭、雑木を活かした空間演出まで幅広く手がける。リクシルデザインコンテストでの金賞受賞をはじめ、主要メーカーのコンテストで多数の受賞歴を持つ。
【保有資格】
1級エクステリアプランナー、ブロック塀診断士、職長・安全衛生責任者、2級福祉住環境コーディネーター、2級色彩検定、測量士補
【趣味】
家族とのキャンプ、バイク、鮎釣り、猫、温泉、散歩

目次

玄関スロープを後付けすると何が変わる?5つのメリット

玄関スロープを後付けすることで、日々の暮らしが大きく変わります。

実際に工事をされたお客様の声や、私たちの施工経験から見えてきた5つのメリットをお話ししますね。

  • 車椅子やベビーカーを持ち上げる手間がなくなる
  • 玄関での転倒リスクを減らせる
  • 介助の負担が軽くなる
  • 将来の介護や資産価値の向上にもつながる
  • 素材や形で玄関の印象も変えられる

車椅子やベビーカーを持ち上げる手間がなくなる

段差がなくなることで、車椅子やベビーカー、シルバーカーを使った出入りが格段に楽になります

車椅子の場合、自力で乗り越えられる段差は2cmが限度。

それ以上ではバランスを崩して転倒する恐れがあります。

そんな時、スロープがあれば、持ち上げる手間がなくなり、自立した移動ができます。

介助する側の負担も軽くなるはずです。

玄関での転倒リスクを減らせる

玄関の段差を解消することで、転倒事故のリスクを大きく減らせます

高齢者の自宅内事故では、玄関・ホール・ポーチでの転倒が全体の約17.4%を占めるというデータもあります。

実際、「玄関の段差につまずいて転倒」という事例は高齢者の日常生活で頻発しており、一度の転倒が寝たきりの原因になることも。

東京消防庁の分析でも、住宅等居住場所で「ころぶ」事故が多い場所は居室・寝室等が最多で、次いで玄関・勝手口等と報告されています。

スロープがあれば段差がなくなるため、つまずいて足を取られる心配がありません。

ただ、急な傾斜だとかえって危険なので、緩やかな勾配と滑りにくい仕上げが大切になります。

介助の負担が軽くなる

段差がある玄関では、介助者が車椅子利用者を抱え上げなくてはいけないので、腰や腕に大きな負担がかかります

また、「毎回家族に頼らなければ外出できない」という状況は、介助される側にとっても大きなストレスですよね。

スロープを設置すれば、車椅子利用者が介助なしで玄関を出入りできるようになり、身体的にも精神的にも負担が軽くなりますよね。

将来の介護や資産価値の向上にもつながる

日本は超高齢化社会を迎えており、新築時から段差の少ない設計にする例や、リフォームで手すり・スロープを追加する家が増えています。

とくに二世帯住宅では、「親がいつまでも自立して暮らせるように」と早めにスロープを設置することも、年々増えています。

また、玄関スロープの後付けは将来の介護への備えだけでなく、住宅の資産価値を高める効果もあります。

実際、バリアフリー仕様は売却時に付加価値として評価されやすく、とくに高齢者や介護が必要な家族のいる世帯から選ばれやすいです。

段差のない玄関があれば、転倒リスクが減るだけでなく、「今は元気でも、いずれ歳を取る」「急なケガや病気でも慌てずに済む」という安心感も生まれるでしょう。

素材や形で玄関の印象も変えられる

後付けのスロープというと、デザイン面が微妙なイメージがあるかもしれませんが、実はそうでもないんです。

たとえば、長いアプローチスロープの両側に草花を植えて、自然石の乱張り舗装とコンクリートを組み合わせたおしゃれな園路風スロープ。

不規則な石張りは見た目にメリハリがつくだけでなく、表面の凹凸が滑り止めにもなります。

住宅のテイストに合わせてタイル貼りや自然石、洗い出し仕上げなどを選べますし、逆に門周りに凝ったデザインを採用する場合はスロープをシンプルにしてバランスを取る設計も。

この辺りはプロの腕の見せ所ですね。

後付けスロープで気をつけたい3つのデメリット

メリットがある一方で、後付けならではのデメリットもあります。

判断を誤らないために、デメリットもしっかり押さえておきましょう。

  • 長い距離が必要で、敷地が狭いと設置できない
  • 本格的なスロープは40〜50万円以上かかる
  • 排水や門扉など既存のものとの調整が必要

長い距離が必要で、敷地が狭いと設置できない

スロープを安全な勾配にするには、長いアプローチ距離が必要です。

バリアフリー法の基準である勾配1/12を満たすには、高さ30cmの玄関ポーチを上がるのに約3.6mのスロープ長が求められます。

高齢者や車椅子がより楽に利用できる1/15の勾配なら、同じ30cmに対して4.5m以上。

敷地に余裕がないと、どうしても傾斜が急になってしまいます。

勾配が急すぎると、歩行時に足元が滑りやすくなったり、車椅子の上り下りに大きな力が必要になったりして、かえって転倒・転落の危険性が高くなります。

敷地条件によっては、安全な勾配を確保できず、スロープ設置が難しいケースも出てきます。

本格的なスロープは40〜50万円以上かかる

玄関スロープの後付け工事は、思った以上に費用がかかります

手すりを含めた相場は40〜50万円程度ですが、既存階段の撤去や敷地条件によっては70万円を超えることもあります。

さらに、アプローチ全体や駐車場などまで同時に行うと、100〜200万円規模になることも珍しくありません。

もちろん、コストを抑える方法もあります。

段差解消用の簡易スロープ(アルミ製や樹脂製の置くだけスロープ)なら、商品代は数千円〜数万円程度。

介護保険の福祉用具レンタルを利用すれば、月額わずかな負担で借りられる場合もあります。

本格施工でも、既存の玄関ポーチや階段の一部を流用したり、仕上げ材をコンクリート刷毛引きにして材料費を抑えたりといった工夫はできます。

排水や門扉など既存のものとの調整が必要

スロープを後付けするとき、玄関まわりにある既存の階段や排水溝、門扉などとの調整が必要になってきます

たとえば、既存の階段やポーチを壊してスロープに置き換える場合、排水溝の位置や門扉の開閉スペース、既存の植栽・塀などとの調整が必要になります。

実際の施工では、スロープ途中に排水マスを新設したり、門扉の位置や開き勝手を変更したり、玄関ポーチの高さを段差解消デッキに作り替えたりといった付帯工事が発生します。

こうした付帯作業は追加費用につながるため、見積り段階でどこまで調整が必要かを確認しておきましょう。

スロープより階段のほうが向いている場合もある

敷地条件や家族構成によっては、スロープより階段のほうがいい場合もあります

たとえば、玄関までの高低差が大きいのにアプローチ空間が狭い場合、無理にスロープを伸ばすと勾配が急になりすぎて危険です。

そのようなときは、段差は残るものの蹴上げの低い階段(たとえば1段10cm程度)に手すりを付けて安全性を高めるという方法もあります。

スロープ以外の段差解消策としては、電動の段差解消機(昇降リフト)やホームエレベーターの設置もありますが、どうしても高額になってしまいます。

あるいは、スロープと階段を両方併設して、健常者は階段、高齢者や車椅子利用者はスロープと使い分ける設計もあります。

スロープも万能ではないので、ご自宅の敷地や家族の状況に合う方法を専門業者と一緒に探すことをおすすめします。

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玄関スロープ後付けの種類はどう選ぶ?

スロープの後付けと一口に言っても、種類や設置方法はさまざまです。

どの種類を選ぶべきか、どこに設置するか、DIYできるかどうかまで、選択肢を整理して説明します。

アルミ・樹脂・コンクリートの3タイプ

玄関スロープの後付けは、大きく3つのタイプに分かれます。

スロープの種類 費用相場 対応段差 設置方法 メリット デメリット おすすめ用途
アルミ製・樹脂製スロープ 数千円〜3万円
レンタル:月数百円〜
10〜15cm
程度まで
置くだけ
DIY可能
  • 手軽に設置できる
  • 価格が安い
  • 移動・撤去が簡単
  • 高い段差には不向き
  • 固定されないとずれやすい
  • 見た目が簡易的
  • 一時的な使用
  • ベビーカー・台車用
  • お試し設置
コンクリート造スロープ 50〜150万円
(小規模20万円〜)
制限なし
(設計次第)
本格工事
業者依頼
  • 耐久性が高い
  • 住宅と一体化
  • デザイン性あり
  • 安定感がある
  • 費用が高い
  • 工事期間が必要
  • 後から変更困難
  • 撤去が大変
  • 恒常的な使用
  • 車椅子の日常利
  • 住宅価値向上
ゴム製・ウレタン製段差解消材 数千円〜1万円/枚 数cm〜10cm程度 置くだけ
DIY可能
  • もっとも安価
  • 設置が簡単
  • 室内外で使用可
  • 小さい段差限定
  • ずれやすい
  • 見た目が目立つ
  • 耐久性が低い
  • 玄関上がり框
  • 室内の小段差
  • 応急的な対応

アルミ製・樹脂製は置くだけで使える

アルミ製の折りたたみスロープや樹脂製のスロープ板は、ホームセンターや通販でも手に入ります。

幅90cm程度の玄関用なら1〜2万円台から買えて、置くだけで使えるので手軽です。

コンクリート造は耐久性が高く一体化できる

エクステリア工事として施工するコンクリート製は、耐久性が高く玄関まわりに一体化できる本格派

今ある階段を撤去して型枠を組み、コンクリートを打って仕上げます。

表面を洗い出しや刷毛引きで滑り止め加工したり、玄関ポーチと同じタイルを貼ってデザインを揃えたりもできます。

ただ、タイルは雨で滑りやすい素材もあるので、防滑仕様を選びましょう。

ゴム製・ウレタン製は小さな段差向け

玄関上がり框(かまち)など小さな段差には、ゴム製やウレタン製の段差解消材が使えます。

幅や高さのサイズは各種あって、玄関の式台や出入口の閾(しきい)に置くだけで数cm〜10cm程度の段差を解消できるんですね。

屋外向けには耐候性ゴムやプラスチック製が多く、1枚数千円程度から手に入ります。

DIYで設置できる反面、固定しないとずれやすいので、滑り止めシートを下に敷くなどの工夫があるといいです。

20cm以上の段差なら複数枚を組み合わせたり、手すりも付けるといった対策を考えましょう。

使う人・期間・デザインで選び方が変わる

スロープの種類が分かったところで、どう選べばいいのでしょう?

判断軸を3つに整理しました。

誰がどう使うかで選び方が変わる

誰がどのように使うかで、選ぶスロープは変わってきます。

日常的に車椅子を利用するなら、勾配が緩く耐荷重性の高い固定式スロープが必要です。

一方、ベビーカーや台車をたまに通す程度なら軽量な簡易スロープでも十分でしょう。

高齢者が自分で歩けるうちは手すり付き階段で対応し、将来車椅子が必要になった時点でスロープを追加するプランもあります。

一時的か長期的かで選び方が変わる

一時的か長期的かも選定のポイント。

けがの療養で一時的に車椅子を使う場合は、介護保険の福祉用具レンタルで折り畳みスロープを借りるのが手軽です。

長く使うことが分かっているなら、耐久性の高い固定スロープを工事したほうが安心ですね。

何を重視するかで優先順位を決める

何を重視するかによっても選択肢は変わります。

デザイン面を優先するなら、玄関の雰囲気に合わせたタイルや自然石仕上げ

ただし費用は高く、コケや汚れのメンテナンスも必要です。

予算重視ならシンプルなコンクリート仕上げや市販スロープで費用を抑えられますが、見た目の質感は多少劣ります。

専門業者と相談して、ご自宅に合う方法を探すといいでしょう。

玄関・勝手口・アプローチのどこに付けるか

スロープを後付けする場所も、敷地条件や動線によって変わってきます。

敷地条件に合わせて動線上に配置する

基本は玄関ポーチからアプローチへの動線ですが、敷地条件によっては勝手口やガレージからの通路に設けることもあります。

たとえば、正面玄関にスペースがない場合、駐車場から続く通用口にスロープを設置し、車椅子はそちらから出入りする形に。

平屋や平坦な敷地でも、敷地境界に段差があれば門扉部分からスロープを敷いて公道との高低差をなくします。

家族が日常で使いやすい動線上にスロープを配置する、これがポイントです。

場所によって滑り止めや排水の工夫が必要

玄関ポーチなら、雨が直接当たる場所は滑り止め対策が欠かせませんし、北側で日陰になる場所は冬季の凍結に注意が必要です。

アプローチ通路に長いスロープを設ける場合、中間に踊り場(平坦な休憩スペース)や排水溝を設けて雨水が溜まらないようにします。

勝手口へのスロープは、防犯上あまり広く開放しすぎない設計にしたほうがいいでしょう。

敷地境界に向かうスロープでは、道路からの視線を遮る手すりパネルや照明の配置など、まわりの景観に合わせることも大切です。

新築時か後付けかでタイミングを見極める

もっとも理想的なのは新築時に計画しておくこと

新築なら建物プラン段階からスロープスペースを確保できるため、敷地全体とのバランスを取りやすく、動線計画も一体的に組めます。

後付け(リフォーム)の場合は既存構造に合わせた工夫が必要ですが、実際に必要になってから作れるので無駄がありません。

介護が急に必要になった場合でも、介護保険制度や自治体補助を活用できるので、費用面でタイミングを見計らう意味はありますね。

簡易設置はDIYできるが、本格工事はプロに任せよう

「自分でできるのか、プロに頼むべきか」も迷うポイントです。

小さな段差なら自分でもできる

小規模な段差なら、DIYでもできます

市販の玄関用スロープ(ゴムマットや軽量スロープ板)は、置くだけで使えて工具は不要

ネジ固定式でも電動ドリル程度で取り付けられます。

たとえば段差5cm程度の玄関上がり框(かまち)なら、高さの合うゴムスロープを買って置けば即座にバリアフリー化できるんですね。

折り畳みアルミスロープを玄関先に臨時で敷く程度なら、取扱説明書に沿って使えば問題ありません。

本格工事は専門業者に任せたほうが安全

一方で、本格的なスロープ工事は専門業者に任せるのが安全です。

コンクリートを流して地形を変える工事は、正確な勾配計算・型枠組み・配筋など建築の知識と技術が必要になります。

勾配が狂えば水はけが悪くなったり、急すぎれば事故のもとに。

玄関は家の顔でもあるため、仕上がりの美しさを保つには職人の腕前がものを言います。

施工後の保証やメンテナンスも受けられるので、長く安心して使えます。

不安があれば、まずは経験のある業者に現地で確認してもらい、どんな方法が合うか相談してみましょう。

 

安全で使いやすいスロープにする5つのポイント

スロープを後付けするなら、安全性の確保が何より大切です。

プロの視点で押さえておくべき設計ポイントを説明します。

設計ポイント
  • 勾配はできるだけ緩やかに(1/15以下が目安)
  • 車椅子が通れる幅を確保する(最低80cm、理想は1m以上)
  • 雨でも滑りにくい素材を選ぶ
  • 手すりがあるとバランスを保ちやすい
  • 夜間は照明がないと危ない

勾配はできるだけ緩やかに(1/15以下が目安)

スロープの勾配は、安全性に直結する最重要ポイント。

バリアフリー法では屋内1/12以下、屋外1/15以下が基準ですが、可能な限り1/15(6.7%勾配)以下の緩やかさが望ましいとされています。

以下の表で、段差の高さごとに必要なスロープの長さを確認できます。

段差の高さ 勾配1/12の場合
(法定基準)
勾配1/15の場合
(推奨基準)
勾配1/20の場合
(理想的)
5cm 60cm 75cm 100cm
10cm 1.2m 1.5m 2.0m
15cm 1.8m 2.25m 3.0m
20cm 2.4m 3.0m 4.0m
25cm 3.0m 3.75m 5.0m
30cm 3.6m 4.5m 6.0m
35cm 4.2m 5.25m 7.0m
40cm 4.8m 6.0m 8.0m
50cm 6.0m 7.5m 10.0m
勾配の目安
  • 1/12(8.3%): 車椅子利用の許容上限・法定基準
  • 1/15(6.7%): 高齢者・車椅子が楽に利用できる推奨勾配
  • 1/20(5%): 手すり不要の緩やか勾配・理想的

たとえば高さ10cmの段差を解消するには、その15倍である150cmの長さが理想という計算になります。

勾配1/12(8.3%)を超えると自力走行は極めて困難に。

スペースが足りないからといって急勾配にするのは禁物です。

長いスロープになる場合は、75cm上がるごとに途中に踊り場を設けて休憩スペースを確保しましょう。

距離が取れない場合は、L字やU字に折り返すプランで敷地内に収める方法もあります。

車椅子が通れる幅を確保する(最低80cm、理想は1m以上)

一般的な車椅子の全幅は約60〜70cm。

そのため、車椅子が通行するスロープの有効幅は最低でも80cm以上が必要です。

曲がりや方向転換を伴う場合、電動車椅子の場合は90cm以上、介助者が横につく場合は1m以上あれば安心です。

注意点
  • 既存の門扉が狭い場合、両開き戸や引き戸への変更、または門扉撤去も検討
  • 手すりを内側につける場合、壁からの内法幅で80cm以上を確保

雨でも滑りにくい素材を選ぶ

スロープは濡れると滑りやすさが増すため、素材選びはとても大切です。

とくにタイル仕上げや金属製のスロープは、雨で濡れると滑りやすくなります。

そのため、屋外スロープの場合、コンクリートなら刷毛引き仕上げ(表面に細かな筋目をつける)、タイルならノンスリップタイル(表面がざらついたタイル)を採用するなど、意図的に滑りにくい仕上げにするのが基本です。

素材別のポイント
  • コンクリート: 砂利を散りばめた洗い出しやスタンプで模様をつけると、美観と滑り止め効果を両立
  • タイル: 光沢があるものは危険。屋外用ノンスリップタイルやマットな質感の石調タイルを選ぶ
  • 金属製(アルミ): エンボス加工や穴あき加工で滑りにくくした製品を。冬場の凍結に注意
  • ゴム製: グリップ力が高いが、経年で硬化や摩耗するため交換を念頭に

長年使ううちには苔の発生や土ぼこりの堆積で滑りやすくなるので、定期的な清掃も大切です。

コンクリートなら透明な滑り止め塗料を塗る、タイルなら高圧洗浄で苔を落とすなど、素材に合ったメンテナンスもあります。

手すりがあるとバランスを保ちやすい

スロープには手すりの設置が強く推奨されます。

高齢者は足腰が弱っているため、わずかな傾斜でも手すりがあるとないとでは安心感が違います。

介助者にとっても手すりは支えとして役立ち、車椅子を後ろから引っ張り上げる際などに補助できるでしょう。

こうした役割から、2025年の建築基準法改正では階段について「2段以上あるものには少なくとも片側に手すり設置が義務」づけられました。

手すりの設置ポイント
  • 高さ: 75〜85cm程度が標準(水平面では80cm前後)。車椅子用はやや低めに
  • 連続性: スロープ全体に途切れなく設置。必要に応じて両側に
  • 端部処理: 衣服が引っ掛からないよう丸め加工
  • 素材: 屋外では樹脂被膜手すりが好まれる

夜間は照明があると安心

日中は見えているスロープの勾配や端部も、夜間は見えにくくなるため転倒のリスクが高まります

そのため、スロープ周辺には足元を照らすフットライトやポールライトの設置がおすすめです。

スロープの縁石や段鼻部分に埋め込み型のフットライトを設置すれば、踏み外し防止につながります。

配線工事が必要な場合は業者に相談すると安心です。

玄関スロープ後付けの費用相場はいくら?

費用は、スロープの種類や工事内容によって大きく変わります。

費用相場と、負担を減らせる介護保険・補助制度について説明します。

簡易スロープは数千円〜、本格施工は20〜60万円

スロープの費用は、種類によって大きく違います。

簡易的なアルミ製折り畳みスロープなら1〜3万円程度で購入でき、レンタルなら月数百円〜数千円で済みます。

一方、本格的なスロープ工事の場合、玄関前の小さな段差をスロープにするだけなら20〜60万円前後で済む事例も多いです。

ただし、アプローチ全体の造成など大掛かりな工事になると、100〜200万円前後、条件次第ではそれ以上を見ておく方が安全です。

スロープの種類 費用相場 工事期間 耐久年数 主な費用内訳
簡易スロープ (購入) 数千円〜3万円 即日 5〜10年 本体代のみ
簡易スロープ (レンタル) 月数百円〜数千円 即日 レンタル料 (介護保険適用可)
段差解消材 (ゴム・樹脂) 数千円〜1万円/枚 即日 3〜5年 本体代のみ
小規模工事 (1〜2m程度) 20〜40万円 3〜7日 20年以上
  • コンクリート打設
  • 仕上げ材
  • 手すり設置
標準的な工事 (3〜5m程度) 50〜100万円 1〜2週間 20年以上
  • 既存構造の解体
  • 土木工事
  • コンクリート/タイル
  • 手すり
  • 照明
大規模工事 (L字・折返し有) 100〜200万円 2〜4週間 20年以上
  • 大規模解体複雑な土木工事
  • 高級仕上げ材
  • 排水設備
  • 照明
  • 植栽

費用は以下のような条件で変わってきます。

  • 段差の高さ(高いほど長くなる)
  • スロープの長さ・折り返しの有無
  • 仕上げ素材(コンクリート < タイル < 自然石)
  • 既存構造の解体・撤去費用
  • 手すりや照明などの付帯工事
  • 敷地条件(狭小地・傾斜地は施工難度が上がる)

介護保険で最大18万円の補助が使える

介護保険の住宅改修費支給制度では、要介護度に関係なく一律20万円(生涯)を上限に、原則9割が保険給付されます(最大18万円支給)

段差解消(スロープ設置)は典型的な対象工事です。

ただし、事前申請が必要なので、工事前にケアマネージャーや自治体に相談し、必要書類を出しましょう。

自治体独自の助成制度もある

介護保険とは別に、自治体独自の助成制度がある場合も。

たとえば小牧市では、介護保険非該当の虚弱高齢者等向けに上限10〜20万円の助成があります。

江南市では、非課税世帯を対象に上限18万円まで補助される高齢者住宅改善助成事業があります。

お住まいの自治体窓口で確認してみるといいでしょう。

堀央創建で実際に手がけた施工事例

実際に手がけた施工事例をご紹介します。

高さ30cm・長さ3.6mで勾配1/12を確保した事例

小牧市K様邸での車椅子用スロープ工事です。

高さ30cmの段差に対して、長さ3.6mのスロープを設置(勾配1/12)

手すりの高さは約1mに設定しました。

小牧市の介護リフォーム費用補助金制度を活用して、費用負担を減らせています。

介護保険でほぼ全額をまかなえた小牧市F様邸の事例

介護保険の住宅改修制度を使い、安全補助手すりを設置した小牧市F様邸の事例です。

家の中の生活動線に沿って手すりを16ヶ所設置し、介護保険の補助(1人1回のみ最大20万円)を活用して、ほぼ全額を保険でまかなうことができました。

スロープだけでなく、手すり工事でも介護保険が使えるため、まとめて施工すると効果的です。

スロープではなく階段を選んだ事例

すべての場合でスロープが正解とは限りません。

この現場では、「スロープを造りたい」という相談を受けましたが、玄関が目の前のため設置が難しい状況でした。

スロープは想像以上に場所が必要で、敷地に余裕がないと設置が難しいんです。

そこで、踏面を広くとった階段を採用し、手すりを両側に付けることで、高齢者でも安全に昇降できるよう設計しました。

階段のほうが合っている場合もあるため、敷地条件や使用者の状態を見て判断することが大切です。

もし「階段とスロープ、どちらが自分の家に合っているのか」で迷われたら、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

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まとめ:玄関スロープ後付けで後悔しないために

ここまで、玄関スロープの種類から費用相場、安全設計のポイント、そして介護保険の活用方法まで見てきました。

この記事のポイント
  • 安全な勾配は1/15以下、段差の12〜15倍の距離が必要
  • 車椅子やベビーカーの出入りがスムーズになる
  • 費用は簡易型で数千円〜、本格工事で20〜60万円前後
  • 介護保険で最大20万円の補助が使える場合がある
  • スペース不足なら階段という選択肢もある

正直なところ、スロープは「あればいい」というものではないんですね。

勾配が適切か、手すりはどこに付けるか、滑りにくい素材はどれか…。

実際に造るとなると、安全面を中心に考えることは思った以上に多くなります。

「うちにはどんなスロープが合うのか」「階段のほうがいいかもしれない」と迷われたら、一度プロに見てもらうのが確実です。

私たち堀央創建は、愛知県小牧市を中心に累計1万件超の外構工事を手がけ、25年連続でデザイン賞を受賞してきました。

元請け直販・自社職人施工なので、現地調査から施工、その後のアフターサービスまで責任を持って対応できます。

玄関スロープの後付けで迷われたら、まずはお気軽にご相談ください。

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