「あー、またこの季節がきた…」
暖かくなると顔を出す、あのしつこい雑草。
せっかくの休日が、腰をかがめて草むしりをするだけで終わってしまう…なんて経験、ありませんか?
「今年こそ、この悩みから解放されたい!」 そんな思いから、お手入れが楽そうな「人工芝」に関心を持っている方も、きっと多いですよね。
弊社でも最近は、人工芝のご要望が本当に増えました。
しかし、実は、正しい施工方法でないと、「人工芝にしたのに、結局また雑草が生えてきてしまった…」となってしまうことをご存知でしょうか?
そこでこの記事では、お庭づくりのプロの視点から、なぜそのような失敗が起きてしまうのか、そして、雑草が生えにくい人工芝の敷き方を丁寧にお話しします。
この記事を読むと、こんなことが分かります。
- 人工芝でも雑草が生えてしまう、本当の理由
- プロが「ここが命」といいきる、下地づくりの秘密
- DIYはなぜ失敗しやすいのか、その決定的な違い
- 結局、我が家にはどの雑草対策が最適なのでしょうか?
この記事を書いた人
岡 秀和
【プロフィール】
外構業界で約19年のキャリアを持つ一級エクステリアプランナー。年間120件以上のプランニングを手がけ、タカショーデザインコンテスト銅賞をはじめ受賞歴も多数。モダンデザインの外構、ローメンテナンスの庭、ウッドデッキ・カーポート設計、ライティングを活かした空間演出を得意とし、機能性と意匠性を両立させ、お客様の期待を超える価値ある空間づくりを信条とする。
【保有資格】
1級エクステリアプランナー、ブロック塀診断士、職長・安全衛生責任者
【趣味】
ゴルフ、フットサル
なぜ?人工芝なのに雑草が生える3つの理由

「人工芝は、敷くだけで雑草が生えなくなるのでは?」 そう考える方も多いと思いますが、現実はそう単純でもないんですね。
人工芝を敷いても雑草が生えてきてしまうのには、共通する3つの原因があります。
原因1:地面の凹凸によってできる「すきま」
実は、雑草対策の成功は、9割が人工芝を敷く前の「下地づくり」で決まる、といっても過言ではありません。
ここがもっとも重要なポイントです。
もし、地面を平らにせずに人工芝を敷いてしまうと、地面と、その下に敷く「防草シート」との間に、目に見えない凹凸の隙間が数多くできてしまいます。
この隙間に光が届くと、土の中に眠っていた雑草の種子が発芽し、元気に成長を始めてしまうんですね。
プロの現場では、「転圧機」という専用の機械を使い、地面を均一に、そして岩のように固く締め固めます。
こうすることで、雑草が伸びる隙間をなくし、水はけの良い安定した土台をつくります。
原因2:防草シートの質と、施工の「すきま」
雑草対策の主役ともいえる「防草シート」。
これも、ただ敷けばよいというものではありません。
安いシートの中には、生地が薄く光を通しやすいものや、数年で紫外線劣化が進み、破れてしまうものもあります。
これでは、しぶとい雑草の成長を防ぎきれませんよね。
また、施工方法も重要です。
シート同士の重ね幅が足りなかったり、シートを地面に固定するピンの穴から光が漏れたり…。
そのような小さな「すきま」から、雑草は侵入してしまいます。
プロは、公共事業でも採用されるような丈夫なシートで、ピンの穴まで専用のテープでふさぐなど、光が入り込むすき間を徹底的になくしていきます。
原因3:人工芝の「つなぎ目」や「排水用の穴」
下地と防草シートが完璧でも、まだ油断はできません。
人工芝同士の「つなぎ目」や、水を流すための「排水用の穴」。
こういったわずかな隙間からも、雑草は生えてきてしまいます。
また、風で飛んできた土や砂が人工芝の葉の間に溜まり、そこから新たな雑草が生えることもあります。
プロは、つなぎ目が分からなくなるほど精密にカットして貼り合わせ、こうした最後の可能性まで丁寧に対処していきます。
見えないところがもっとも重要!プロも実践する理想の施工のながれ
では、私たちプロが、どのようにして雑草が二度と生えてこないお庭をつくっているのか、その手順を詳しくご紹介します。
①「根こそぎ」が基本!徹底した除草と整地

まず、現在生えている雑草を、地中の根まで含めて完全に取り除きます。
そして、地面を掘り起こしながら、石や木の根といった地中障害物もすべてきれいに撤去します。
この丁寧な下準備が、あとで地面がでこぼこになるのを防いでくれます。
②とにかく平らに!専用機械で地面を「転圧」

次に、この工程のハイライトともいえる「転圧」です。
「転圧機(プレートコンパクター)」という専用機械で、地面全体に強力な圧力をかけ、均一に締め固めていきます。
人の力で踏み固めるのとは、密度と強度がまったく違います。
こうすることで、雑草が育つ隙間がなくなり、水はけも格段に向上します。
③光を100%遮断!高品質な防草シートを隙間なく施工

固く締め固めた地面の上に、高品質な防草シートを敷き詰めていきます。
プロは、シートのつなぎ目を10cm以上重ねて、専用の接着剤やテープで完全に密着させます。
固定ピンの頭にも専用シールを貼り、徹底的に光をシャットアウトします。
④最後の仕上げ!「珪砂」で芝を美しく長持ちさせる

最後は仕上げの人工芝です。 芝の向きを揃えて自然な見た目に整え、つなぎ目が分からないように丁寧に貼り合わせます。
そして、仕上げに「珪砂(けいしゃ)」という細かな砂を均一に充填します。
これが重しの役割を果たし、芝のめくれやズレを防ぎ、ふかふかとした感触を長持ちさせてくれます。
堀央創建が手掛けた人工芝の雑草対策の実際の施工事例
以下の事例は堀央創建が実際に施工した雑草対策の人工芝です。
人工芝を敷いてメンテナンスの簡単なお庭になりました。

雑草対策×人工芝の施工事例①
比較的広い敷地、南側に玄関のため門柱の位置を考えて配置し、建物のバランスを考え幅も調整しました👏
機能的なカーポートですっきりとした印象になります🚙
掃き出し窓の前にはタイルテラスがあり、人工芝を敷いてメンテナンスの簡単なお庭になっています!
門柱前の割栗石と植栽がお家の雰囲気をさらに引き立てていま
また、こちらのお客様は、人工芝だけでなく、砂利もあわせて、「メンテナンスのかからないお庭」を工事させて頂きました。

雑草対策×人工芝の施工事例②
10年前からお付き合いをさせていただいています扶桑町T様邸。
今回はお庭を広げ人工芝や砂利などで「メンテナンスのかからないお庭」を工事させて頂きました。
とってもきれいな人工芝や目隠しラチスフェンスなど「きれいなお庭」という印象のガーデンリフォーム工事。
T様にも大変喜んで頂く事ができました。
人工芝だけじゃない!その他の雑草対策も紹介
「我が家には、人工芝は合わないかもしれない」
そう感じた方にも、雑草対策には、他にもさまざまな方法があります。
代表的な3つの方法をご紹介します。
【タイル・レンガ】デザイン性と耐久性で選ぶなら

タイルやレンガは、なんといってもデザイン性の高さが魅力です。
こだわりの空間を演出し、一度施工すれば、手入れはほとんど必要ありません。
初期費用は高めですが、長い目で見れば満足度の高い対策といえるでしょう。
こんな方におすすめ
庭のデザインにこだわりたい、初期投資をかけてでも長期的に美しい状態を保ちたい方
- メリット:デザイン性が高い、耐久性が抜群、メンテナンスが楽
- デメリット:初期費用が高い
あわせて読みたい
暖かくなってくると、お庭が気になる季節ですね。
でも、それと同時にやってくるのが、あの面倒な雑草との戦い…。
せっかくの休日が、腰をかがめて草むしりするだけで終わっちゃった…なんて経験、ありませんか?
実は、その毎年の悩みから解放される答えの一つが「タイル」です。
この記事では、プロの視点で
【砂利敷き】コストを抑え、手軽に雰囲気を変える

砂利敷きは、比較的コストを抑えられる手軽な雑草対策です。
和風にも洋風にも合わせやすく、歩くと音が鳴るため防犯対策としても有効です。
様々な種類や色の砂利があり、庭の雰囲気を変えたいときにもおすすめです。
ただし、下に防草シートを敷くことが不可欠なのと、落ち葉の掃除が大変という側面もあります。
こんな方におすすめ
コストを抑えて手軽に雑草対策をしたい、和風の庭にしたい方
- メリット:コストが安い、施工が比較的簡単、防犯対策にもなる
- デメリット:掃除がしにくい、定期的な補充が必要な場合がある
【防草シートのみ】とにかく今すぐ、の応急処置として

防草シートを敷くだけの方法は、もっともコストを抑えられる対策です。
しかし、紫外線に弱く数年で劣化してしまうため、あくまで一時的な対策と考えるのが良いでしょう。
こんな方におすすめ
コストを最優先したい、将来的に別の対策を予定している方
- メリット:圧倒的にコストが安い
- デメリット:紫外線で劣化しやすい、見た目が良くない
DIYと業者、どちらがいい?後悔しないための3つの視点
雑草対策として、キレイに人工芝を施工しようとすると、いかに丁寧で確実な作業が必要か、お分かりいただけたのではないでしょうか。
プロが使う転圧機のような専門的な道具を揃えるのは大変ですし、見た目以上に重労働な作業も多く、きれいに仕上げるのは簡単ではありません。
DIYに挑戦するか迷っている方は、後悔しないために、まずはこの3つの視点で考えてみてください。
視点1:数年後に差がつく「見た目」と「効果」

DIYとプロの仕事の差がもっとも顕著に表れるのは、実は施工直後ではなく、数年後の状態です。
プロの庭が美しい景観を保つのに対し、DIYの庭は表面がでこぼこになったり、水たまりができたり、といった問題が起こりがちです。
原因は、やはり「下地づくり」の質の違いにあります。
長期的な美しさと雑草抑制効果を求めるのであれば、プロに任せるのが確実でしょう。
視点2:「もしも」の時の品質保証

プロに依頼した場合、万が一施工後に問題が発生しても、保証期間内であれば無償で対応してもらえます。
DIYで失敗した際の材料費ややり直しの手間を考えると、結果的にプロに依頼した方が良かったというケースも多いです。
視点3:想像以上の重労働と、やり直しの手間

最後に、忘れてはならないのが「時間と労力」です。
整地から転圧、防草シートや人工芝の設置まで、すべての工程を自分で行うには、想像以上の時間がかかります。
特に、地面を掘り起こして平らにする作業は、かなりの重労働です。
「やってみたら、想像をはるかに超える肉体労働で本当に大変だった」
これは、DIYを経験した多くの方から聞かれる声です。
とくに大変なのが、一度敷いたものを剥がしてやり直す作業。
うまくいかずにデコボコになった地面を、もう一度平らにするのは、最初の作業の何倍も骨が折れます。
「もう二度とやりたくない」と感じる方が多いのも、無理はありません。
貴重な休日を何日も費やした結果、納得のいかない仕上がりになってしまっては、元も子もありませんよね。
その時間と労力を、完成したお庭で家族と過ごす時間に充ててほしいと思います。
まとめ:人工芝をきれいに長く保つ秘訣は「見えない部分」にあり
この記事では、人工芝を敷いても雑草が生えてしまう原因と、プロが実践する本質的な対策について解説してきました。
雑草対策としての人工芝は、見た目以上に、その土台となる「下地づくり」にあります。
専用機械での転圧や光を遮断するシート施工など、DIYでは再現が難しい工程こそが、もっとも重要なポイントです。
この記事のまとめ
- 雑草が生えるのは「下地」「シート」「施工」の甘さが原因
- プロは専用機械「転圧機」で見えない地面を固める
- 長期的な美観と効果は「下地づくり」の質で決まる
- タイルや砂利など他の方法も比較し、最適な方法を選ぶ
- 品質保証のあるプロへの依頼が、長期的な安心につながる
「うちの庭に最適なのはどの方法だろう?」
「専門家に頼むと、いくらかかるの?」
といった疑問やご不安は、どうぞ私たち専門家にお聞かせください。
私たち堀央創建は、単に外構を作る会社ではありません。
設計から施工までをすべて自社で責任を持って担当し、お客様の暮らしのお悩みを根本から解決するパートナーです。
お客様の庭の状況、ご予算、そして「将来どんなお庭にしたいか」という理想まで、詳しくお聞かせください。
人工芝、タイル、砂利など、様々な選択肢の中から、あなたの家族にとって本当に最適な雑草対策プランをご提案します。
まずはお気軽にご相談いただき、長年の悩みだった雑草との戦いに、今年こそ終止符を打ちましょう。