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About Horio Souken
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第3話:ZENって実際に施工に落とし込めるの?

〜勾配が取れない現場で、どう“ととのう”のかを考える〜

「ZENの庭」と聞けば、多くの人が思い浮かべるのは、京都のお寺などに多く見られる苔や白砂、波模様の砂紋。
でも僕が現場で向き合ってきたのは――雨水、勾配、雑草、視線、メンテナンス。そういう“暮らしのリアル”なお悩みでした。

忘れられない現場があります。
敷地にほとんど高低差がなく、勾配すら取れない。普通なら「水が溜まりますよ」で終わってしまうような条件。けれど、そこから先が面白いんです。

僕がした工夫は、例えば:

  • 玄関ポーチ1段までかさ上げし、車庫のコンクリートの中央を谷にして排水を工夫

  • デッキ下を砕石で仕上げ、雨水をそのまま浸透させる層にした

  • アプローチの一部に割栗石を配置し、“水の抜け道”に変えた

どれも地味で目立ちません。けれど、雨が降ったあとに水が流れていくのを見ると、現場でしか味わえない満足感がある。

僕にとってのZENは「無」ではない。
与えられた条件の中で、暮らしがととのうように、そっと整えていくこと。

割栗石の土留めも同じです。形も大きさもバラバラの石を、人の手で崩れないように積み上げる。完全な均一じゃないからこそ、自然に馴染み、落ち着きを生む。

それはまるで「不揃いをそのまま受け入れながら、静かにととのえる」作業そのもの。
そこに、僕はZENを感じるのです。


👉 次回予告
第4話:形をいじらず、敷地を“活かす”ということ。
ありのままの土地に寄り添う設計は、なぜ心地よいのか?

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