駐車場増設の費用、何で決まる?舗装選びと狭小地で使える増やし方のアイデア
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雨が降るたび、駐車場に水たまりができて困っていませんか。
車の乗り降りで靴が濡れる、買い物袋を抱えて泥水を避けながら歩く、子どもを抱っこしたまま水たまりを迂回する。
砂利を敷いてみたり、穴を埋めてみたりしても、しばらくするとまた同じ場所に水が溜まる。
こんな状況になっているなら、原因は応急処置では解決できない部分にあります。
水たまりができる原因は、駐車場の種類によって違います。
それぞれの駐車場にあわせた勾配設計と排水対策を行えば、雨水は自然に流れて、雨の日でも水が溜まらない駐車場に変わります。
1963年の創業以来60年以上、累計9,640件以上の外構・エクステリア工事を手がけてきた堀央創建が、駐車場の水たまり対策について、実践的な情報をお伝えします。
【プロフィール】
「お客様の想いを汲み取り、期待を超える提案」を信条とする一級エクステリアプランナー。外構業界で約20年の経験を活かし、タイルを効果的に使ったモダンデザインから趣のある和庭、雑木を活かした空間演出まで幅広く手がける。リクシルデザインコンテストでの金賞受賞をはじめ、主要メーカーのコンテストで多数の受賞歴を持つ。
【保有資格】
1級エクステリアプランナー、ブロック塀診断士、職長・安全衛生責任者、2級福祉住環境コーディネーター、2級色彩検定、測量士補
【趣味】
家族とのキャンプ、バイク、鮎釣り、猫、温泉、散歩
駐車場に水たまりができる原因は、大きく3つに分けられます。
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

駐車場に十分な傾斜がないと、雨水が自然に流れずその場に溜まってしまいます。
駐車場に必要な勾配は、一般的に1~2%(100cm進んで1~2cm下がる傾き)とされています。
この勾配があれば、雨水は自然に流れていきます。
しかし、勾配が不足すると、水が流れずその場に溜まってしまうんですね。
新築時に勾配がしっかりと取られていない場合や、長年の使用で地盤沈下が起こって勾配が変化した場合、水たまりが発生します。
しかし、勾配不足は、目視では分かりにくいものです。
「雨が降った後、特定の箇所だけ水が残る」なら、その部分が周囲より低くなっている可能性があります。
専門家による測量で確認すると確実です。

排水溝がない、または詰まっているため、水が排出できないケースです。
勾配があっても、排水溝(U字溝、グレーチング、集水桝など)がないと、水の行き場がなくて溜まってしまいます。
排水溝はあっても、設置場所や施工に不具合があると、うまく機能しません。
たとえば、駐車場のもっとも低い位置に排水溝がなければ、水は流れきらず溜まります。
排水溝自体に勾配が不足している場合も同じですね。
次に、詰まりの問題。
排水溝が設置されていても、落ち葉や泥で詰まっていると機能しません。
落ち葉や泥が溜まってくると、またすぐに詰まってしまいますから、時々チェックして掃除してあげることが大切です。
また、周囲の環境が変わったことで水はけが悪くなるケースもあります。
隣に新しい建物が建って水の流れが変わった、周囲より自分の敷地が低くて雨水が集まりやすい、駐車場が壁や建物に囲まれていて水の逃げ場がない。
こういった環境的な要因も、水はけ悪化の原因になるんですね。

経年劣化で駐車場にくぼみやひび割れができて、そこに水が溜まるケースです。
駐車場のコンクリートやアスファルト、長年使っていると劣化します。
車の重量が繰り返しかかると圧縮されて、地面に凹みや轍(わだち)ができます。
そこが雨水の溜まり場になってしまうんですね。
コンクリートの場合、ひび割れから雨水が染み込むと、舗装の下で土が流出して空洞化します。
そして表層が陥没し、悪循環を招きます。
アスファルトの場合は、小さな穴ぼこ(ポットホール)が放置されると拡大し、水たまりとさらなる劣化の原因になります。
砂利駐車場では、砂利が車の重量で沈下し、地盤が不均一になってくぼみができます。
砂利の隙間に泥や落ち葉が入り込んで目詰まりを起こすと、透水性が低下して水が溜まりやすくなるのです。
こうした劣化、放置するとどんどん悪化します。
小さなひび割れやくぼみのうちに対策すれば、長期的には費用を抑えられます。
ここまで、水たまりができる3つの原因を見てきました。
では、実際にどう対策すればいいのでしょうか。
これは、駐車場の種類(コンクリート、アスファルト、砂利・砕石)によって、効果的な方法が変わってきます。
| 駐車場の種類 | 主な原因 | 主な対策 |
|---|---|---|
| コンクリート | ひび割れ、地盤沈下、勾配不足 | ひび割れ補修、部分的な勾配調整、全面打ち直し |
| アスファルト | 穴ぼこ、轍、勾配の変化 | 部分補修、舗装の重ね敷き、排水勾配の再設計 |
| 砂利・砕石 | 砂利の沈下、目詰まり、地盤の不均一 | 路盤改良、防草シート+砂利層の再構築、透水性舗装への転換 |
また、透水性舗装で雨水を地下に浸透させる選択肢もあります。
ここでは、駐車場の種類別に、原因と対策を詳しくお話ししていきます。

コンクリート駐車場では、先ほどお話しした勾配不足や地盤沈下が、ひび割れやくぼみという形で現れます。
コンクリート駐車場は耐久性が高いと言われますが、施工不良や地盤の弱さ、年月による劣化は避けられません。
水たまりの位置や広がりを観察すれば、原因がある程度推測できます。
それでは、具体的な対策を見ていきましょう。
ひび割れが小さい場合に有効な方法です。
エポキシ樹脂やシーリング材でひび割れを充填し、雨水の浸入を防ぎます。
ただし、これは予防的な措置。
すでにくぼみができている場合には、効果は限定的です。
くぼみができている部分に対応する方法です。
該当箇所を一度撤去し、下地(砕石層)を整え直してから、新たにコンクリートを流し込んで勾配をつけます。
部分的な打ち直しでも、つなぎ目部分に段差が出ないよう職人技が必要になります。
駐車場自体の勾配は十分でも排水先がない場合に有効です。
低い位置にU字溝やグレーチングを設置し、側溝や雨水桝に流す経路を作ります。
駐車場全体が平坦すぎたり劣化が激しい場合に選択します。
古い土間コンクリートをすべて撤去し、地盤を改良・転圧し直してから、あらためて必要な勾配でコンクリートを打設します。
全面やり直しは費用は高額ですが、ひび割れや沈下もまとめて解消でき、長期的な安心が得られます。

アスファルト駐車場で水たまりができる主な原因は、舗装の劣化(穴ぼこ、轍)と経年による勾配の変化です。
アスファルトはコンクリートに比べて柔らかいため、局所的な沈下が起こりやすい特徴があります。
こうした問題には、どう対応すればいいのでしょうか。
アスファルト駐車場の強みは、部分補修のしやすさです。
穴ぼこや轍がある部分に、アスファルトを追加して平らにします。
穴やひび割れ部分のゴミや水をしっかり清掃し、必要に応じて下地の砕石を追加・転圧して平らに整えた後、加熱アスファルトや常温合材を詰めて締固めます。
小規模な穴埋め程度なら半日で完了することもあります。
舗装全体の劣化が進んでいる場合に選択します。
既存のアスファルトはそのままに、その上から新しいアスファルトを重ねて敷くことで、表面の凹凸を埋めて平らな層を作ります。
ただし、元の舗装が脆くなっていると下地ごと沈下する恐れがあるため、状態によって適用可否は専門家の判断が必要です。
既存舗装を一度すべて撤去し、下地からやり直して新しく舗装する方法です。
下地の路盤材(砕石層)をしっかり転圧・整形し直し、必要に応じて勾配を補正してから、新しいアスファルトを敷き均し・転圧します。
広範囲の勾配不良を根本解決でき、耐久性もリセットされます。
アスファルトは養生期間が不要なため、コンクリートより工期は短くなります。
アスファルト補修材はホームセンターでも市販されており、DIYでの対応も可能です。
しかし、厚みや転圧が不十分だとすぐ再沈下することも多いため、確実に直すなら、やはり専門業者による適切な施工をお勧めします。

砂利駐車場では、車の重量で砂利が沈下したり、隙間に泥や落ち葉が入り込んで目詰まりを起こします。
また、砂利の粒度(大きさ)が不適切だと、透水性が低下して水が溜まりやすくなります。
どのような対策が有効なのか、確認していきましょう。
「ここさえ水が捌ければOK」という箇所が明確な場合には、水たまりができる一番低い場所に浸透桝(しんとうます)を埋設し、地下深くに雨水を浸透させる方法があります。
あるいはドレーンパイプを埋めて水を側溝まで誘導することも出来ます。
これらは局所的な工事で済むため比較的低コスト。
沈下した部分に砂利を追加し、平らにします。
または、目詰まりした砂利を入れ替えます。
粒径20~40mm程度の砕石を5~10cm厚に補充し、プレートコンパクターできっちり転圧します。
ただし、これは応急処置的な面があって、根本的な解決にはなりません。
中~重度の水はけ不良に対応する方法です。
既存の砂利を撤去し、路盤を改良(転圧・整地)してから、防草シートを敷き、水はけの良い粒度の砂利を敷き直します。
具体的には、地面を浅く掘り下げ、透水シート等で土と区切った上で、下層に粗い砕石を敷き込んで勾配を確保し、その上に砂利+砕石の混合材による排水層を設け、最後に表層の砂利を敷きます。
この方法で、地盤自体に雨水を逃がす機能が備わり、水たまりが格段にできにくくなります。
路盤を改良する際に、必要な勾配を取り、排水溝を設置する方法です。
砂利駐車場から、コンクリートまたはアスファルトの透水性舗装に転換する方法です。
長期的なメンテナンスを減らしたいなら、この選択が有効です。
砂利駐車場では、定期的なメンテナンスも大切。
時間とともに砂利が土に沈み込んだり横に流出したりして薄くなると、水の逃げ道が減ってまた水たまりが再発します。
年に一度程度、砂利を足したり均したりするお手入れで、良好な状態を長持ちさせられますよ。

透水性舗装は、雨水を地下に浸透させる構造を持った舗装材料です。
通常の舗装と比べ内部に多くの空隙(隙間)があって、降った雨が表面にほとんど残らず、すぐさま下へしみ込んでいきます。
まず、降った雨が瞬時に地中へ排水されるため、水たまりがほとんどできません。
さらに、雨水を地中に還元できるので、都市型洪水対策やヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。
そして表面が常に乾きやすいため、苔が生えにくく滑りにくいという安全面でのメリットもあります。
こうしたメリットがある一方で、デメリットもあります。
具体的には、空隙が多い分、通常のコンクリートほどの圧縮強度がないため、大型車の頻繁な乗り入れには不向きです(乗用車程度なら問題ありません)。
また、長期間使用すると砂埃や泥が空隙に詰まり、透水性が徐々に低下するため、定期的な清掃が必要になります。
加えて、施工コストが通常より高めな点、寒冷地では透水した水分が内部で凍結して劣化を招くリスクがある点にも注意が必要です。
それでも、どうしても水たまりをなくしたい場合や、排水先を設けにくい立地などの場合には検討する価値があります。
ただし、地盤が非常に軟弱な場所、寒冷地、予算が限られている場合は、他の対策を検討した方が良いでしょう。

水たまり対策の費用、工事の規模と駐車場の種類によって大きく変わります。
| 規模 | 費用 | 工期 | 対策例 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 10~30万円 | 2~4日 | ひび割れ補修、部分的な舗装補修など |
| 中規模 | 50~80万円 | 5~7日 | 部分的な勾配調整、排水溝設置など |
| 大規模 | 100万円以上 | 10日以上 | 全面的な打ち直し、排水勾配の再設計など |
小規模な対策は、工事範囲が狭く内容も軽微なケースです。
例えばひび割れ補修だけ、穴ぼこの部分舗装補修だけ、1~2箇所の排水桝新設といった対策が該当します。
具体的な工事内容と費用の内訳
| 対策 | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| コンクリートのひび割れ補修 | 10~25万円 | エポキシ樹脂やシーリング材でひび割れを埋める |
| アスファルトの部分的な舗装補修 | 8~20万円 | 穴ぼこや轍をアスファルトで埋める |
| 砂利の追加・入れ替え | 15~30万円 | 沈下した部分に砂利を追加、または目詰まりした砂利を入れ替える |
工期は2~4日で、養生期間を含みます。
即日で完了することもありますが、コンクリート補修の場合、材料硬化の養生時間として1日以上みることがあります。
中規模な対策は、工事範囲が駐車場の一部から全体に及び、施工内容も本格的なケースです。
例えばコンクリート部分打ち直し+排水溝設置の組み合わせ、アスファルト舗装の重ね敷きによる全面補修、砂利駐車場の路盤改良工事などが挙げられます。
具体的な工事内容と費用の内訳
| 対策 | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| コンクリートの部分的な勾配調整 | 30~60万円 | くぼみ部分にコンクリートを追加して勾配を調整 |
| 排水溝の設置(U字溝、グレーチング) | 40~70万円 | 駐車場の最も低い位置に排水溝を設置 |
| アスファルトの重ね敷き | 50~100万円 | 既存のアスファルトの上に新しいアスファルトを重ね敷き |
| 砂利駐車場の路盤改良+ 防草シート+砂利層の再構築 |
50~100万円 | 路盤を改良し、防草シートを敷いて、適切な粒度の砂利を敷き直す |
工期は5~7日で、養生期間を含みます。
部分的な土間コンクリート打設が含まれると養生日数が加わって5日以上になり、雨天順延も考慮する必要があります。
中規模工事になると重機やトラックを使用することも多く、残土処分費や重機回送費なども費用に含まれる点に留意してください。
大規模な対策は、駐車場全体を抜本的に改善するようなケースで、費用も期間も大きくかかります。
例としてコンクリート駐車場全面打ち替え、アスファルト駐車場全面撤去・再舗装、大規模な排水設備新設(側溝を敷地一周入れる等)が該当します。
具体的な工事内容と費用の内訳
| 対策 | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| コンクリート駐車場の 全面的な打ち直し |
80~150万円 | 既存のコンクリートを撤去し、路盤を改良してから、必要な勾配で新しいコンクリートを打つ |
| アスファルト駐車場の 排水勾配の再設計 |
100~200万円 | 既存のアスファルトを撤去し、路盤を改良してから、必要な勾配で新しいアスファルトを敷く |
| 砂利駐車場から 透水性舗装への転換 |
80~150万円 | 砂利を撤去し、路盤を改良してから、透水性コンクリートまたはインターロッキングブロックを施工 |
工期は10日以上で、養生期間を含みます。
特にコンクリートは養生期間(最低3~4日、可能なら1週間程度)を確保したいところ。

駐車場の種類によっても、費用は異なります。
アスファルトは1㎡あたり4,000~8,000円前後が相場ですが、小面積だとかえって割高になります。
上記はいずれも目安で、駐車場の広さ・劣化の程度・使用する材料・排水設備の有無・工事の難易度などによって費用は変動します。具体的な金額は、専門業者の現地調査&見積もりで確認してください。
中規模以上の工事の見積書では、重機回送費や残土処分費などの項目が「○○一式」とまとめられがちです。
工事範囲・方法、使用材料、撤去処分や諸経費まで明記されているかチェックしましょう。

水たまり対策の中でも、特に難しいのが「勾配が取りにくい条件」での施工です。
下記の事例では、道路との高低差がほとんどない難しい条件の駐車場で、玄関ポーチの1段目まで土間コンクリートをかさ上げし、中央を低くして両側に水を流す方法で解決しました。
お客様も、一時はかなり心配されていましたが、完成後、お客様から感謝のメールをいただきました。

水たまり対策は、業者選びで決まります。
「せっかく工事したのに、また水が溜まってしまった…」
そんな失敗を避けるために、専門業者に相談する際のポイントをお伝えします。
水たまり対策は、地盤の勾配や排水経路を正確に判断する必要があります。
現地を見ずに「㎡単価だけ」で見積もる業者は要注意です。
優良業者は実際に水が溜まっている箇所の高さ差・排水方向・雨水桝の位置などを細かく測定してくれます。
また、「舗装をやり直す」「排水溝を設置する」など、費用対効果を比較しながら複数案を提示してくれるかもチェックしましょう。
見積書は「一式」でまとめられたものではなく、掘削・転圧・排水管設置・舗装仕上げといった工程ごとの金額が明記されているか確認しましょう。
さらに、Googleマップの口コミや施工事例ページで、似た条件の現場を手がけているかをチェックし、施工後のアフターフォローについても事前に確認しておくと安心です。
1963年の創業以来、60年を超える歴史を持つ堀央創建は、累計9,640件以上の外構・エクステリア工事を手掛けてきました。
小牧市を中心とした地域密着型企業として、地域の特性を熟知したスタッフが迅速かつ丁寧にサポートします。
そんな堀央創建が地域のお客様に選ばれ続けている理由は、以下の点にあります。
年間リピート率50%という数字が示す通り、工事後も長くお付き合いいただいています。
ここまで、駐車場の水たまり対策について、原因から駐車場の種類別の具体的な対策、費用・工期の目安、そして業者選びのポイントまでお話ししてきました。
水たまりの原因は勾配不足、排水設備の不備、地盤沈下・舗装の劣化の3つが主で、駐車場の種類(コンクリート、アスファルト、砂利・砕石)に合った対策を選べば、確実に解決できます。
水たまりは放置すれば舗装の劣化を早め、修理費用もかさみます。
しかし、しっかりと正しい対策を行えば、水たまりのない快適な駐車場で、雨の日も安心してお車をご利用いただけます。
堀央創建は創業60年以上、1万件近くの外構工事を手掛け、難しい勾配条件でも確実に解決してきました。
年間リピート率50%という数字が示す通り、工事後も長く信頼される関係を築いてきました。
もちろん現地調査も行っていますので、あなたの駐車場の状況を確認し、最適な対策をご提案します。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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