「犬を飼うなら、広い庭があった方がいい」
犬をすでに飼っている方、これから犬を迎える方の中には、そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、庭が広ければ犬が走れる距離は長くなります。
大型犬や運動量の多い犬種なら、広さが役立つ場面もたしかにあります。
しかし、私は犬と庭を考えるとき、
「庭は広ければ広いほど犬が幸せ」
とは限らないと思っています。
むしろ大切なのは、
その庭で、犬と家族がどんな時間を過ごせるか。
を一番に考えます
広い庭があっても、犬が勝手に運動するとは限らない
広い庭を見ると、
「ここなら犬が思い切り走れる」
と思います。
もちろん走ることはできます。
しかし、庭に犬を出しておけば、自動で走り回っているわけではありません。
最初は匂いを嗅いだり、庭を一周したりしても、そのうち玄関や窓の前で家族を待っている。
そんな犬も少なくありません。現に私の愛犬も匂いを一通り嗅いだら大人しくしています
犬にとって庭は、単なる「運動場」ではないからということがわかりました
家族と一緒に遊ぶ。
匂いを探す。
日陰で休む。
風を感じる。
外を眺める。
飼い主のそばでくつろいだり昼寝をする。
庭には、走る以外にもたくさんの過ごし方があります。
犬が楽しめる庭に必要なのは「距離」より「変化」
例えば、あまり広くない庭でも、
・芝生の場所
・土や砂利を足裏で感じる
・木陰が好き
・匂いを嗅げる植栽やハーブ類
・少し高低差のある場所
・家族と座れるテラスやガーデンファニチャー
などがあれば、犬にとって庭の楽しみは増えてます。
犬は人間のように、
「庭が50㎡あるから楽しい」
とは考えません(笑)
匂い、音、風、足裏の感触、家族との距離など、いろいろな刺激を感じながら庭を使っています。
つまり、
広いだけの庭より、小さくても変化のある庭の方が犬にとって面白いこともあります。
小さな庭でも「一緒に遊ぶ」ことはできる
犬との遊びというと、ボールを遠くへ投げたり、思い切り走らせたりするイメージがあります。
しかし、庭でできる遊びはそれだけではありません。
例えば、
・おやつやフードを隠して探す
・植木のまわりを一緒に歩く
・おすわり、待て、呼び戻しを遊びにする
・おもちゃを探す
・簡単なノーズワークをする
こうした遊びなら、それほど広い庭は必要ありません。
特に犬は「鼻」を使う動物です。
人間から見るとただ歩いているだけでも、犬にとっては庭に残った匂いを調べること自体が楽しみになることがあります。
本当に考えたいのは「安全に外へ出せるか」
犬の庭づくりでは、広さより先に考えてほしいことがあります。
それが安全性です。
例えば、
脱走しないフェンス
犬は想像以上に小さな隙間から出てしまうことがあります。
犬種や体格によっては、低いフェンスを飛び越えたり、フェンスの下をくぐったりすることもあります。
庭へ犬を出すなら、まず脱走できる場所がないか確認することが大切です。
滑りにくい床
タイルやデッキなどは素材によって滑りやすさが違います。
特に走ったり方向転換したりするとき、滑りやすい床は犬の足腰への負担になることがあります。
夏の日陰
夏の庭は、人が思っている以上に暑くなります。
人工芝、コンクリート、タイルなどは強い日差しで高温になることがあります。
犬は人間より地面に近い場所で過ごします。
庭を考えるなら、
「日当たりがいい庭」だけでなく、「ちゃんと日陰がある庭」
という視点も重要です。
広い庭ほど管理が大変になることもある
もう一つ、現実的な問題があります。
庭は広くなるほど、
・雑草
・芝刈り
・落ち葉
・植木の剪定
・犬の排泄物の掃除
など、管理する場所も増えます。
最初は、
「犬のために広い庭を」
と思ってつくったものの、
数年後には庭の管理が負担になり、ほとんど使わなくなってしまう。
これでは少し残念です。
犬と暮らす庭だからこそ、
家族が無理なく管理できる広さとつくり方
を考えることも大切です。
犬だけではなく、人が庭に出たくなること
私たちは犬の庭を考えるとき、
犬だけが遊べる場所にはしたくないと考えています。
例えば、
朝、コーヒーを飲みながら犬と庭に出る。
休日、木陰の椅子で犬と一緒に過ごす。
夕方、庭で犬を遊ばせながら家族で話す。
夜、照明をつけて少しだけ外の空気を楽しむ。
そんな時間が生まれる庭です。
犬だけを外へ出して、
人間は家の中から眺めている。
それよりも、
犬がいるから、人も庭へ出る。
そんな庭の方が、家族にとって長く使える庭になるのではないでしょうか。
「走る庭」だけを考えない
子犬の頃は元気いっぱいだった犬も、いつか年齢を重ねます。
若い頃には庭を走り回っていた犬が、
数年後には木陰で寝ている時間の方が長くなるかもしれません。
だからこそ庭づくりでは、
「どれだけ走れるか」
だけで考えないことも大切です。
走れる場所。
匂いを嗅げる場所。
休める場所。
家族の近くにいられる場所。
年齢によって使い方を変えられる庭なら、犬が歳を重ねても楽しむことができます。
犬に必要なのは「広い庭」ではなく「使いたくなる庭」
犬に広い庭が必要か。
私たちの答えは、
必ずしも必要ではありません。
広さが役立つ犬もいます。
しかし、それ以上に大切なのは、
犬と家族が自然に庭へ出たくなること。
だと思います。
10分遊ぶ。
一緒に日向ぼっこする。
匂いを探す。
木陰で休む。
夕方、家族で庭に座る。
そんな小さな時間が積み重なることで、庭は「犬を出す場所」から「家族が過ごす場所」へ変わっていきます。
犬のために庭をつくる。
それも素敵です。
でも私たちはもう一歩先の、
「犬がいる家族の時間をつくる庭」
を考えていきたいと思っています。
犬と過ごしやすい庭にリフォームすることもできます
今ある庭でも、
・犬が脱走しないフェンスをつける
・外からの視線を目隠しする
・滑りにくい床へ変える
・人工芝を敷く
・日陰をつくる
・植木や生け垣を整理する
・犬と座れるデッキやテラスをつくる
など、少し手を加えることで使いやすくなることがあります。
「犬を迎えるので庭を考えたい」
「犬はいるけれど、庭をほとんど使っていない」
「人工芝やフェンスをどうしたらいいかわからない」
そんな段階からでも大丈夫です。
庭の広さだけではなく、
犬種、年齢、性格、家族の暮らし方まで考えながら、犬と人が一緒に過ごせる庭を考えてみてください。