2026.08.27
空き家の片付け業者選び|悪徳業者を避ける許可の確認方法とトラブル事例
相続した実家、あるいは自分が住まなくなった家の家財を片付けたい。 そう考えたとき、多くの人がまず検討するのが片付け業者への依頼です。 しかし、いざ探し始めると「ほかと比べて安すぎる業者」や「許可の有無がよく分からない業者」がたくさん出てきて、どこに頼めばいいのか迷ってしまいますよね。 費用への疑問はもちろんですが、それ以上に「大事な思い出の品まで勝手に捨てられたらどうしよう」「後から高額な追加費…
投稿日:2026.08.25 最終更新日:2026.08.25
庭は、見た目を評価する場所ではなく、身体全部で感じる場所である。
シカゴでのホームステイ中、ボタニカルガーデンと実際の住宅庭を見学しました。そこで、アメリカ人夫婦でガーデナーが教えてくれたのは、『五感で庭を楽しむ』ということ。言葉として『センサリーガーデン』は知っていても、実物を見て、実際に五感を使った楽しみ方を体験することで、初めて深く理解できました。
センサリーとは『感覚』という意味です。
つまりセンサリーガーデンとは、花や樹木を目で鑑賞するだけではなく、香り、手触り、音、色、味など、人間の五感を使って体験する庭のこと。
ホームステイ先のガーデナーは、こう説明しながら実際に行動で見せてくれました。
香りのする植物に顔を近づけて、花の匂いを嗅ぐ
葉や樹皮に手を伸ばして触れる
風で揺れる植物の音を聞く
その一連の行動こそが、庭を『楽しむ』ということなのだと、そのとき初めて腑に落ちました。
私たちは庭を見るとき、無意識に見た目を評価してしまいます。
花がきれい。色の組み合わせが美しい。樹木の形が整っている。写真映えする。
もちろん、美しさは庭にとって重要です。しかし、センサリーガーデンが問いかけているのは、それだけではありません。
この庭に入ったとき、どんな香りがするのか。
葉に触れたとき、どんな感触があるのか。
どんな音が鳴るのか。
その場所にいる人の心が、どう変化するのか。
公式案内でも、シカゴ・ボタニックガーデンのセンサリーガーデンは、急いで通り過ぎる場所ではなく、歩く速度を落として体験する庭として紹介されていました。植物に近づきやすい植栽部分もあり、香りを嗅いだり、触れたりしやすいように工夫されています。
普段の暮らしでは、私たちは多くの時間を室内で過ごしています。
空調で一定に保たれた温度。平らな床。照明。テレビやスマートフォン。
視覚情報は大量に入ってきますが、土の匂い、葉の感触、木陰の涼しさ、風に揺れる植物の音を意識する時間は減っています。
だからこそ、庭へ出る意味があるのです。
花の香りを嗅ぐ。葉を触る。鳥のさえずりや、風が枝葉を揺らす音を聞く。日陰の温度差を感じる。足元の素材の違いを感じる。
こうした小さな刺激が、人間の感覚を日常へ戻してくれます。
シカゴでは、香りだけでなく、樹皮の質感、葉が揺れる音、食べられる植物の味まで含め、感覚を使って庭を体験するプログラムも行われていました。
庭は、植物を飾るための背景ではない。人間が、もう一度自分の身体と感覚を取り戻す場所なのです。

日本には、素晴らしい庭園文化があります。石、苔、水、樹木、余白、見え隠れ。静かに眺め、季節の移ろいを感じる庭には、日本独自の美しさがあります。
一方、一般住宅の庭ではどうでしょうか。
人工芝を張り、アルミフェンスで囲み、樹脂製のウッドデッキをつくり、花壇をなくす。
その庭で何を感じ、どう過ごすかまでは、あまり考えられていないことがあります。
さらに日本では、庭や植物園の植物は『見るもの』『触ってはいけないもの』になりやすいようにも感じます。
もちろん、公共の植物を勝手に傷つけてはいけません。しかし、家庭の庭まで鑑賞専用にする必要はないのではないでしょうか。
葉を触る。花の香りを嗅ぐ。花を摘んで室内に飾る。ハーブを料理に使う。木陰に椅子を置く。
庭は、もう少し人間の生活に近い場所であってよいと思います。
センサリーガーデンをつくるために、広い土地や珍しい植物は必要ありません。
玄関やテラスの近くに、ハーブや香りのある植物を植える。
手の届く高さに、柔らかい葉や特徴的な質感の植物を置く。
風に揺れて音が出る草類を植える。
鳥が来る樹木や水場をつくる。
食事に使えるハーブを育てる。
夏に木陰をつくる。
庭に、裸足で感じられる異なる素材を取り入れる。
小さな庭でも、五感を意識すれば体験は大きく変わるはずです。
重要なのは、植物の種類を増やすことではなく、『この場所で、何を感じてほしいのか』ということ。そこから逆算して庭を考えることが、これからの庭づくりには必要な視点だと思います。
シカゴ・ボタニックガーデンを、アメリカ人のプロガーデナーと歩き、私はセンサリーガーデンの意味を、ようやく身体で理解できました。
庭は、美しい植物を並べる場所ではない。完成写真を撮るためだけの場所でもない。
香り、手触り、音、光、温度、風。そして、そこで過ごす時間。それらすべてを含めて、庭なのです。
長く庭づくりの仕事をしてきましたが、海外へ出て、現地のプロと一緒に庭を歩いたことで、改めて庭の原点を教えられました。
庭は、目だけで見るものではない。人間の身体全部で感じる場所である。
セン サリーガーデンとは、特別な庭ではない。本来、すべての庭が持っていたはずの役割を、もう一度思い出させてくれる庭。
これからの庭づくりは、ノーメンテナンスを目指すだけではなく、管理できる自然を暮らしの中に戻していくこと。丸見えのオープン外構でも、閉じすぎた目隠し外構でもなく、五感で体験できる庭を考えること。
それが、これからの庭づくりに必要な視点だと思います。
2026.08.27
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